第1章 脳卒中片マヒの特徴を知る

本書は、介護スタッフとして現場で勤務されている方、家庭でご家族を介護されている方を対象に疾患の特徴についてまとめてみました。 

本書の特徴は、介助方法についてまとめたものではなく、疾患の身体的特徴についてまとめてみました。身体的特徴がわかりますと、介助に活かすことができ、安心安全に介助ができます。 

イラストをふんだんに使用し、ちょっとした空き時間に、スマホやタブレットでいつでもご覧いただけるよう制作しました。「読んで学ぶ」だけではなく、ワンクリックで疾患の身体的特徴を詳しく解説した動画掲載ページにリンクし、その内容を詳しく確認することも可能です。 

目次

1.脳卒中ってどんな病気
2.どのような後遺症がでるの?
 A.運動障害
 B.感覚障害
 C.高次脳機能障害
 D.摂食嚥下障害
3.運動障害ブルンストロームステージ1 
 ブルンストロームステージ2 
 ブルンストロームステージ3
 ブルンストロームステージ4
 ブルンストロームステージ5
 ブルンストロームステージ6弛緩性ですが、何かの拍子に動く
4.感覚障害
5.高次脳機能障害
6.嚥下障害
7.介助法の実際 寝返り~起き上がり
 移乗
 杖の合わせ方
 杖歩行の基本
 階段の昇降
 衣服の着脱

脳卒中編:回復段階にあった介護が必要です!

今回は、第1章として脳卒中編です。脳卒中は、介護が必要になった要因第一位、寝たきりになる病気第一に挙げられます。 

脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分類され障害された脳の反対側の手足の運動障害(片麻痺)を主な特徴とします。麻痺の回復過程を表す指標としてブルンストロームステージと言われる指標が使われます。手指・上肢・下肢それぞれがブルンストロームステージで評価されます。 

ステージⅠは、弛緩性麻痺といいブラブラで全く動かない状態です。 

回復に伴い、ステージⅢになりますと、緩んだ状態から痙性麻痺という、筋肉が突っ張った状態になります。動きは出てきますが、思うようには動かせません。決まったパターンでしか動かせなくなります。 

ステージⅣ・Ⅴになりますと、筋肉の痙性が少しずつ取れてきて、関節の動きが出現してきます。 

ステージⅥになりますと、正常に近い動きが出来るようになります。 

全ての人が、ステージⅥまで回復するわけではありませんが、ステージ1~Ⅵまでの回復過程の特徴を知ることが安心安全な介助につながります 

その他の障害として、感覚障害、嚥下障害、高次脳機能障害等があります。これらについても、記載しています。 

本書が、少しでも皆様のお役に立てて頂けたら嬉しく思います。 

次回第2章は、パーキンソン病編を制作中です。乞うご期待ください。